北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)29 仕事始めとお留守番

2022年のティナの工房は、1月3日から仕事始めでした。

クリスマスのお祝いはたくさん準備をして、一か月かけて盛大に行うデンマークですが、お正月のお祝いは、大晦日の夜にパーティーをして、夜中の12時に花火を打ち上げて終わりです。

何ともアッサリしたお正月で、日本人の私は少しさびしい気持ちになりますが、気持ちを切り替えて、デンマーク人同様さっさと働き始めましたよ。

f:id:Hokuohkomonosen:20220108223922j:plain

大晦日には年越しそば、元旦にはお寿司を食べて、日本の味を楽しみました。

年明け早々、ティナはお客さんからの問い合わせで終始忙しそうです。

工房への来客も多いのですが、お客さんの自宅での打合せのため、ティナは工房を出たり入ったりしています。

 

そのため、私が工房で一人留守番を任されることも、しばしばあります。

工房にはショールームも併設されていて、ティナが椅子張りの余材で作ったクッションやカバンを販売している他にも、雑貨やインテリア、少し上等な調味料やお菓子、カルキペイントなども販売しています。

なので、お客さんが来たときには、ある程度の接客をしないといけません。

 

日本では家具メーカーのショールームで勤務したことがあるので、接客経験はあるのですが、ここはデンマーク。

デンマーク人のお客さんに、デンマーク語で対応しなくてはいけません。

 

最初の頃は、緊張しながら汗をかきかき必死で接客していましたが、最近は、デンマーク人のお客さんはほぼみんな優しいということが分かったので、リラックスして話せるようになりました。

 

デンマークには日本語のような敬語がなく、ほとんどのお店で、店員さんとお客さんは友人のようにフレンドリーに接する文化があるので、それもとても助かっています。

 

先日は、カルキペイントを買いに来たお客さんに、「あの、よく古いキッチンにある○○の色が欲しいんだけど…」と言われたものの、知らない単語だったので正直に「日本から来たのでデンマークの昔の物のことは分からなくて…」というと、「そうだよね~」と笑って、「デンマークの住み心地は良いか」とか「椅子張り職人って面白いのか」とかおしゃべりしながら、自分でこれだと思う色を、とりあえず買っていってくれました。

 

他にも、お客さんの言っている単語が分からないときには、正直に分からないと言うようにしています。そうすると、お客さんがその物が何かをちゃんと説明してくれて、私は新しい単語を学べます。

お客さんの意図が理解出来ないときには、それはどういうことですか?と聞けば、ちゃんと私が分かるように、具体的に教えてくれます。

 

椅子張りに関する相談なら、「自分は研修生で対応できないから、ティナに電話で相談するか、アポイントを取ってまた来てください」で終えられるんですけどね。

 

いろいろなお客さんがそれぞれの用事でやって来るので、毎回同じ対応が出来る訳ではありません。

 

大変なときもありますが、デンマークで少し接客が出来るのはとても良い経験だと思うので、いつも留守を任せてくれるティナには、やっぱりありがたいな、と思います。

 

さて、年始の工房勤務は1週間で一旦終了です。

来週からは、久しぶりに学校での授業、5週間の本コース2が始まります。

今回からは、初めて学生寮に住んでみることにしました。

冬道を毎日長距離運転するのはキツイ!ということで、5週間寮住まいです。

と言っても、週末は自宅に戻りますけどね。

新しいメンバーと新たな寮暮らしでドキドキしますが、頑張ります。