北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)35 デンマークの春の楽しみ

通勤途中の菜の花畑が、もうすぐ満開です。

一面の黄色い絨毯まで、あと少しです。

イースター休暇が終わって、やっと暖かさが安定してきたデンマークでは、今週一斉に菜の花が咲き始めました。

農家さんが種をまく場所を毎年変えるようで、花が咲くまでは、そこが菜の花畑だとはまったく気づかず毎日通り過ぎていたので、驚きました。

来週には満開を迎えそうなので、毎日わくわくして見ています。

 

ところで今週は、工房で新たな技を習得しました。

正円を描くことです。

 

ティナから、バーで使う用のまん丸のスツール4脚の張替えを任されました。

新しく張り替える張地を切り出すときに、はがした古い張地を型にして切れば大丈夫だろうと考えて、慎重に切り出したのですが…

張地はいつもギリギリ足りる分しか注文しないので、型の取り方を慎重に検討します。

切った後の張地を確認すると、微妙に円が歪んでいます。

ティナに相談すると、古い張地は伸びて歪んでいるから、正円の張地を切り出すときは、余程慎重に確認しながら作業するか、正円の型を自分で作ってから切り出すのが良いとのことでした。

 

もう布を切ってしまった…

 

また失敗してしまいました。

でも、切ってしまった布は元に戻りません。

落ち込んでいても仕方ないので、自分で正円の型を作ることにしました。

 

ティナに言われた通り、針と糸と鉛筆をつなげて円を描いたのですが、針や鉛筆の角度ですぐに糸の長さが変わってしまって、正円を描くことが全く出来ませんでした。

CADで正円を描いて印刷して型にした方が早いのではないか、とティナに提案してみたのですが…

 

集中して描けば出来るはずだから!

 

と、CAD案は却下されてしまいました。

でも、私には針と糸と鉛筆じゃ無理だと思って、家に帰ってから、インターネットで正円の描き方を調べてみると、簡単で良い方法を見つけました。

 

段ボールを細長く切って穴を2か所開け、片方に針を、片方に鉛筆の頭を差し込んで円を描く方法です。

なるほど、これなら糸のように半径の長さが変わったりしないから、良いかも!

と思って翌日さっそく試してみると…

めちゃくちゃ簡単にキレイな正円が描けました。

 

昨日の苦労は何だったんだ…

 

と思いながらも、出来た型をティナに確認してもらうと、正円は良いけど、大きさが少し大きすぎるから1cm小さい円で型を作り直してから作業するように、とのことでした。

 

師匠~!せっかく苦労して作ったのに!?

 

と心の中でさけびながらも、段ボールコンパスなら簡単にサイズ調整も出来るので、この方法を見つけて本当に良かったと思いました。

これからは、正円の型の切り出しも楽勝です。

手作りの段ボールコンパスで、正円が簡単に描けます。

ところで、デンマークの春と言えば、菜の花の他にRamsløg(ガムスロイ)という美味しい春の植物があります。

日本の行者ニンニクに近いのかなと思うのですが、ニンニクのような味がする植物で、デンマークでは雑草のような扱いで、いろいろな所に群生しています。

そんなデンマークの春の味Ramsløgがティナの家の庭にたくさん生えているので、今日はおすそわけをいただいて、ペイストを作りました。

ティナの庭のRamsløg

いただいたRamsløg

Ramsløgはキレイに洗ったあと、オリーブオイル、パルメザンチーズ、アーモンド、レモン汁と一緒にフードプロセッサーで混ぜて、塩で味を整えます。

Ramsløgのペイスト。パンに塗っても、パスタに混ぜても、お肉と一緒に食べても美味しいです。

ティナに教えてもらって、Ramsløgは根ごと取ってきたので、葉っぱを切り取った後は我が家の庭に植えておきました。

これで、来年は自宅でもRamsløgを収穫できるかもしれません。楽しみです。

我が家に引っ越してきたRamsløg。ちゃんと育ちますように。