今週は、1週間みっちり伝統工法の椅子張りの授業でした。
さて、今週の作業はここまでです。
本当は、この後アームの内側に麻草と動物の毛をのせて、その上から綿布と白布を被せてタッカーで留めるところまで終わらせないといけなかったのですが…
終わりませんでした。
そして、そこまでちゃんと終わったのは、クラスメイト11人中1人だけでした。
でも、金曜日はきっちり時間通り、もしくは少し早めに仕事を終わらせて週末に突入するのが一般的なデンマークでは、予定通り作業が終わらなくても、誰も気にせず、みんなさっさとGod weekend!(良い週末を!)と言ってあっという間に家に帰ります。
ということで、私も来週のことは来週に任せて、週末に突入です。
心配だったレポートと図面も無事に提出できたので、今週末は久しぶりにゆっくりできそうです。
今週は、同じ教室で一緒に作業している本コース4の生徒さんから、興味深い話を聞かせてもらいました。
その生徒さんは、日本でも人気のデンマーク家具を作っている老舗家具メーカーで研修中なのですが、デンマーク国内の工場の椅子張り職人が少なすぎて、そのメーカーの製品の多くは、海外の工場で製造されているとのことでした。
また、国内工場の数少ない椅子張り職人の中でも、デンマーク人の職人さんは少ないそうで、外国人労働者が増えてきたとのことでした。
このままじゃ、デンマークデザインの家具の作り方を、デンマーク人が教えられなくなってしまう…と、将来を心配していました。
デンマーク国内には、外国人の出稼ぎ労働者や移民がデンマーク人の職を奪っていると考える人もいるけど、そうじゃなくて、デンマーク人がやりたがらない仕事を、外国人労働者でまかなっているのが現状だから、椅子張職人になりたいデンマーク人が少ないことが問題だ、と話してくれました。
確かにデンマーク人の若者からすると、椅子張り職人なんておじいちゃんの仕事のイメージだし、学歴が高い訳でもなく、仕事がキツイのに給料が低くて、憧れのカッコイイ職業とはほど遠そうです。
デンマーク家具ファンの私としても、デンマーク人がデンマークの家具を作れなくなってしまうのは、とても寂しいなと思います。
(ちなみに、木工家具職人を志望する人の数は多いようです。)
密かに訪れているデンマークの椅子張り職人危機に触れて、私にも何か出来ることはないのかなと、頭の片隅に置いておこうと思いました。
さて、本コース2は来週で終了です。下地張りを何とか完成させなくては!