北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

本コース3 4週目 Dybdehæftninger と アームの仕上げ張り

日に日に秋色が濃くなっていくデンマーク。

今の日の出は8時頃なので、朝はすっかり暗くなってしまいました。

学生寮からキレイな朝焼けが見えました。

さて今週は、椅子のアーム部分の革張り作業をしました。

アームは曲線が多いので、革を伸ばしながら張らないといけないのですが、私の選んだ革は伸びが悪く、しかも引っ張りにあまり強くなかったので、いろいろ大変でした。

 

一番大変だったのは、曲線に合わせて入れた革の切れ目から、革がどんどん裂けていってしまったことです。

ハサミで入れた小さな切れ目が、引っ張りによってどんどん裂けてしまいました。

革が裂けていることに自分で気づき、どうしようかと悩んでいると、

それに気づいた先生が「これは、非常にまずいわね…」と、私よりかなり深刻そうに悩み始めたので、すっかり動揺してしまいました。

確かに、自然と大きくなってしまう革の裂け目を左右に引っ張りながら張り続けるのは、難しいです。

 

先生のアドバイスで、裂け目の上から、裏側をナイフで削って薄くした革を、応急処置として貼り付けました。

専用のナイフで革の裏側を薄く削ります。

裂け目の上に貼り付けました。

とりあえずこれで大丈夫かと思いましたが、革を引っ張ったら、上から張った革が剥がれてしまったので、結局効果がありませんでした。

でも先生の助けを借りながら、何とかキレイに張ることができました。

 

そして、伸びの悪さと革の厚みが相まって、アームの角の部分もなかなかキレイに張ることが出来ず、何度もやり直しました。

角は、なるべくシワが寄らないように張らないといけないのですが、難しいです。

アーム部分も、何とかキレイに張れました。

残りは、背中と外回りです。

背中には、Dybdehæftninger(デュブドゥ ヘフトニンガー)という技術を使います。

一枚の革をくるみボタンで絞っていって、キレイな模様を作ります。

本番の革で張る前に、他の革で練習をしました。

くるみボタンを付ける位置に、ウレタンに穴を空けます。

ヒモを通してボタンを引き締め、革を絞っていきます。

ボタンを引き締めながら、革の折り目を整えて模様を作ります。

本番の革は一枚きりで一発勝負なのでドキドキしますが、何とかキレイに張れますように!

 

本コース3も、あっという間に来週で最後です。

課題の提出日に向けて、頑張って椅子張りを仕上げていきます。