北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

本コース4 2週目 卒業試験に向けて

今週は、先週に引き続きテクノロジーの授業を受けて、アームの下地張りを行いました。

アームのウレタンをさらに削って形を整え、「耳」と呼ばれているアームの上部にもウレタンを張りました。

硬めのウレタンの上に柔らかいウレタンを張って、下地張りの完成です。

それ以外に、今週はAutoCADの作図作業を行いました。

クラスメイトと相談しながら、この方法が一番簡単なんじゃないかということで、アームのパーツを紙に写し描きして、計測してみることにしました。

大きな紙に椅子の木枠を直接置いて、形を取っていきます。

写し描きした椅子の大きさを計測して、CADで図面を描き起こします。

組み立てた木枠を少しずつ計測していくよりも、紙に移した木枠を計測して寸法を書き込んでいく方が、CADの作図作業がとても簡単でした。




今回の本コース4は、次回の本コース5で張る椅子の下準備期間となります。

そのため、本コース5で張る予定の椅子のデザインに沿って、必要な下地材やフォームを作図していきます。

 

そして今年の11月に行われる卒業試験では、本コース5で張った椅子と同じ椅子張りを行うので、今回の本コース4は、卒業試験の下準備期間でもあります。

 

卒業試験で張る椅子は、リサイクルショップなどで自分で古い椅子を探してきて、剥がして、その木部をそのまま使うことも出来ますし、学校で用意された木枠を使うことも出来ます。

 

私はリサイクルショップなどを巡って卒業試験で使えそうな椅子を探していたのですが、なかなか条件に合う良い椅子が見つからなかったので、学校の木枠を使うことにしました。

 

学校の木枠は、3種類の異なるデザインのアーム、2種類の背面、2種類の座面の中から自分の好きなデザインを選んで組み合わせることができます。

こちらが、私が選んだ木枠のパーツの組み合わせです。

卒業試験では、アーム、背面、座面の3つのパーツのうち最低1つは伝統工法、1つは工業製品(ウレタン下地)の椅子張りを行わないといけません。

 

どのパーツをどの張り方で張るのか、下地の構成はどうするのかは、生徒がそれぞれ先生に相談しながら自分で決めていきます。

 

椅子のデザインや座面の高さ、アームの厚み、クッションを作るかどうか、張地の種類と張り方なども、全て生徒が自分で決めなくてはなりません。

 

私は本コース4が始まる前に、あらかじめ大体のデザインと張地を決めてティナにも相談していたので、比較的スムーズに作業を進めています。

 

クラスメイトの中には、まだあまりアイディアが固まっていない生徒や、自分でリサイクルショップで見つけて持参した椅子の木枠が複雑過ぎて、作図作業にかなり手間取っている生徒などもいて、ストレスがたまってしまっている人が多いようです。

 

卒業試験にはまだ約1年も猶予があるのですが、もう既に卒業試験の準備期間になっていることもあり、みんないつもより少し肩に力が入ってしまっているようにも思います。

 

本コース4はまだ残り3週間も時間があるので、テクノロジーの授業などの課題もこなしながら、卒業試験に向けてしっかり準備していきたいと思います。

 

大変なこともありますが、自分でデザインして張る椅子に、みんなとてもワクワクしています。

私は椅子のスケッチを描いて、張地の組み合わせを検討中です。