北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)46 椅子張りの難しさとクリスマス休暇

先週は、日中でもずっと氷点下の寒い日が続いたので、きれいな雪景色を楽しむことができました。

工房の前も、すっかり雪景色です。

今週になって急に気温がぐっと上がって雪は全部溶けてしまいましたが、クリスマスイブにはまた気温が下がって雪予報なので、今年はホワイトクリスマスが楽しめるかもしれません。

 

今年も例年通り、昨日の冬至が仕事納めとなりました。

クリスマス前の納品ラッシュで忙しくしていたのですが、私が最後に任されていた椅子の張り作業は結局終えることが出来なくて、残りはティナが作業してくれるそうです。

 

申し訳なく思いつつも、古い椅子の張替えはとても難しいので、やっぱり私にはまだ上手く張れません。

 

下地材をウレタンで張替えた場合は、結構上手に張れるようになってきたのですが、古い下地材をそのまま使っている場合は、途端に難易度が上がります。

天然素材の下地材は、ただでさえ不均等で表面に凸凹ができやすいのですが、古い素材となると、使い古されてさらに凸凹になっています。

それを、新しい麻草でならしたり、コットンマットで覆ってならしたりするのですが、張地の引っ張り加減で、その凹凸が表面に出てきてしまうのです。

 

ティナに確認してもらいながら、もうちょっと引っ張って、これは引っ張りすぎ、ここは不均等だからもう少し均一に…といろいろアドバイスをもらうのですが、なかなか上手く張れません。

 

前より難しい作業をしているので、上手くいかなくて当然なのですが、やっぱり心身共に疲れてしまいますね。

 

新しい椅子の椅子張りと、古い椅子を張り替える椅子張りとは、必要な技術に大きな差があることを、身をもって体験しています。

古い椅子の張替えは、想像以上に面倒で手間のかかる、とても根気のいる作業です。

だからこそ、それをやる、出来る職人さんがこんなに少ないんだと思います。

 

ティナの作業を見ているととても簡単そうに見えますが、実際にはかなり難しいので、ティナの職人としての技術の高さを、年々実感しています。

 

仕事納めの日には、作業が間に合っていない椅子がたくさんあるにも関わらず、ティナがケーキとコーヒーでHyggeタイムを作ってくれました。

本当に優しいお師匠さんに、感謝でいっぱいです。

 

クリスマス休暇をゆっくり楽しんで、また新年から頑張ります。

来年の11月には、いよいよ卒業試験です。

 

今年もブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。

みなさんも、素敵なクリスマス、年末年始をお過ごしください。

今年もティナから、素敵なクリスマスプレゼントをいただきました。