北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

5.uge 5週目 伝統工法

今週は、この冬初めて雪が積もりました。

今年は暖かくて、このまま春に突入かと期待していましたが、まだ寒い日が続きそうです。

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学校の入口前の雪景色


雪が舞う様子を見ながら、ヒュッゲだね、とみんな嬉しそうです。

それとは反対に、雪道運転がひたすら不安な私。

 

雪道運転が苦手なら、一度積雪30cmくらいの畑のど真ん中を運転してみなさい。

すっごくワクワクして面白いのよ。

と、先生が助言をしてくれました。

先生の人生の楽しみ方が、半端ないです。

 

さて今週から、伝統工法の椅子張りが始まりました。最初は、簡単なスツールからです。

 

まずは、スプリングを支える麻のテープを底に固定し、その上にスプリングを縫い付け、紐で縛って形を整えます。

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スプリングを紐で固定

 

その上に麻布をかぶせて、スプリングを縫い付けます。

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スプリングを麻布に縫い付け

 

麻布の上に麻草をこんもり乗せて、さらに別の麻布で覆います。

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麻草をこんもり

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麻草をさらに別の麻布で覆う


新たな材料を乗せては固定し、乗せては固定していきます。

その都度、細かな注意事項があり、それぞれ縫い方や固定の仕方が違います。

材料の名前も、初めて聞く言葉が多く、覚えるのも発音するのも一苦労です。

 

それにしても麻草のこんもり具合が分からず、先生にアドバイスをもらいながら悪戦苦闘していると、いつの間にか私の麻草のこんもり具合が他の生徒に比べてかなりのボリュームになっておりまして。

おいおい、どこまでのせるつもり?

とみんなにツッコまれながらも、授業はいつも和やかに、楽しく進んでいきます。

 

伝統工法って本当に手作業なんだなぁ、とワクワク作業しつつも、

なかなかの力仕事で、毎日ヘトヘトです。

紐をぎゅうぎゅう引っ張る時は、手が痛くて仕方ありません。

手袋が欲しいと先生にお願いすると、手袋が見つからなかったからと、先生が代わりに余り革に穴を開けて、ささっと手のプロテクターを作ってくれました。

お見事です。

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革のプロテクター。簡単で効果的な解決策はお見事です。

作業の際は、使用した材料の量と作業時間を自分で控えていきます。

最終的に、このスツールを張るのにかかった金額を、自分で算出するためです。

椅子張り職人の学校を卒業すると、独立して自分の工房を開くことが出来ます。

そのため、自分の仕事の見積を、自分で算出出来るようにするのです。

 

学校の課題で、いつも原価と作業単価を考える訓練が出来るので、とても実践的で良いなと思います。