1週間の秋休みの後、5週間目の現場研修(praktik)が終わりました。
秋休み前から取り組み始めた伝統工法のソファの下地修理が、ほぼ完了しました。
それ以外にも、今週は伝統工法のダイニングチェアの下地の補修も行いました。
とても古そうな椅子でしたが、美しい彫りが施されたマホガニーの背面と脚は優雅な佇まいで、全て自然素材で出来た座面の中材は、とても丁寧に縫い込まれています。
デンマークの家具職人の腕の良さに感心すると共に、デンマークの古い家具の良質さに改めて感動しました。
学校の基礎コースで習った伝統工法の知識は、現場でしっかり役に立つ実質的なもので、それもすごいなと思いました。
私がデンマーク家具の良質さに静かに感動している横で、85歳のベテラン職人のヘニングが、テキパキと慣れた手付きでアルネ・ヤコブセンの7チェアの張り替えをしていました。
65年前にデザインされた椅子が、今もなお世界中で愛され続けていて、さらに85歳の職人さんに張り替えらているなんて、すごいことだなぁと、感動してしまいました。
ただ、デンマーク国内の椅子張り職人(møbelpolstrer)の数も、工房の数も減少しているのが現状です。
デンマークの椅子張りの技術や古いものを大切にする文化を守っていくために、微力ながら、私も少しそのお手伝いが出来れば嬉しいな、と思っています。
デンマークで暮らしていると、デンマーク人は人の良いところを見つけて褒めるのが、とても上手だなと思います。
よく出来ている、綺麗に出来ている、とっても働き者だ!
と、ティナもヘニングも、いつも私の仕事を褒めてくれます。
それは、素直にとても嬉しいことで、仕事をするのがますます楽しくなって、もっと上手になりたいという向上心にも繋がります。
私も2人を見習って、人の良いところをたくさん見つけられるようになろうと思います。
Lærepladsについては、2週間後に学校の担当者が工房に来てくれることになったので、そこでもう少し具体的な話が進みそうです。
それまでは、このままpraktikの現場研修を続ける予定です。