今週から、待ちに待った椅子張り職人の本コース1が始まりました。
本コース1のクラスメイトは13人!
基礎コースの6人と比べると、かなりの大所帯です。
私と同じ基礎コースから本コース1に進学したのは、私を含めて3人です。
新しいクラスメイトたちの中に顔なじみのメンバーがいるのは、本当に心強いです。
初日はみんな緊張気味でしたが、翌日からは少しずつ打ち解けて、いろんな話をするようになりました。
それぞれの研修先(Læreplads)でみんながどんな風に働いているのか、お互い興味津々です。
みんな研修先で苦労するポイントが同じだったりするので、基礎コースとはまた違った同志のような感覚です。
これから一緒に椅子張り職人を目指す仲間として、みんなと絆を深められたら良いなと思います。
今週から始まった5週間の本コース1で私たちが取り組む課題は、子ども用の椅子作りです。
材料にウレタンフォームを使うという条件はありますが、それ以外のデザイン、素材、コンセプトは自由です。
最終週までに椅子を完成させて、必要なレポートとAutoCADの図面も完成させなくてはなりません。
1週目の今週は、デザインや材料について学びながら、それぞれ自分たちの椅子のデザインや材料を考えていく授業でした。
授業内容は、以下のような感じです。
1日目:椅子張り職人の女性講師によるイントロダクション
自己紹介と学校・授業・課題の説明で終了しました。
2日目:建築家の女性講師によるデザイン授業
目を閉じて描いたデタラメな曲線、紙をなるべく見ないで描いた一筆書き風の似顔絵など、自分で描いた抽象的な絵を切り貼りして、子ども用家具をデザインする、という体験型のデザイン授業でした。
3日目:2日目(建築家の女性講師によるデザイン授業)の続き。
先生がアイソメの家具の描き方をものすごくザックリ説明して、それぞれ自由に描いてみる、という授業以外は、自由に自分の課題に取り組む日でした。
4日目:ウレタンフォームの製造会社見学
Claudiusというウレタンフォームの会社を訪問しました。
到着してまず案内された会議室には、朝食用のパンとバター、果物とコーヒーが用意されていて、とりあえずお腹を満たしながら世間話をして和む、という時間が小一時間ほどありました。
その後ケーキを食べながら、やっと会社とウレタンフォームの説明が始まりました。
何ともデンマークらしいです。
説明中でもみんな自由に質問してね。
ということで、みんなどんどん質問をしていくので、話はどんどん膨らんでいきます。
加熱する説明の途中で、会議室のドアの向こうから、
こら!怒るよ!
という従業員さんの声が聞こえたかと思うと、犬が自分でドアを開けて会議室にひょっこり入ってきて、笑いを誘っていきました。
その後工場を見学させてもらい、見学会は終始和やかな雰囲気で終了しました。
とってもデンマークらしいなと思ったのは、ヤコブセンのエッグチェア、スワンチェア、セブンチェアなどの名作家具のウレタンフォームの説明がものすごく自然にあって、会社ではそれらの椅子にそのまま使える専用のウレタンフォームを加工して販売していることです。どこの椅子張工房でも、これらの名作家具の張替の仕事があるので、その需要があるのでしょう。
ウレタンフォームの型紙の保存ルームには、ぱっと目に入るだけでも、GETAMA、Carl Hansen & Sønなどデンマークの老舗家具メーカーの名作家具の型紙がズラリと並んでいました。
ちなにみ、クラスメイトの中にはこれらの老舗家具メーカーで現場研修をしている生徒もいるので、それぞれの製造現場の様子を教えてもらえるのも、また面白いです。
5日目:各自、自由に課題作業の続き
来る予定の先生が来られず、代わりの先生がそれぞれの質問や課題で困っていることの相談に乗ってくれました。
こんな様子で、最初の1週間はのんびりと終了しました。
基礎コースと違って、複数の外部講師と学校の先生で授業を進めていくようです。
やらないといけないことはたくさんあるのですが、まずはゆる~くスタートするのも、デンマーク流かなと思います。
そして、こんなリラックスした雰囲気の中でも、みんな着々と自分の作業を進めていくのも、またデンマークらしいところです。
私も、リラックスしながらサササっと作業を進めたいところですが、もちろんそんなスマートには行かず…
デンマーク語と格闘しながら、あくせく汗をかきつつ、必死で5週間頑張ります。