5週間の学校での本コース2が無事終わり、先週からティナの工房でまたお世話になっています。
今はいつもの穏やかな日常に戻って、ほっとしています。
もちろん学校は新しい学びやクラスメイトたちとの交流で楽しいのですが、週末の移動や課題など、大変なことも多いので。
ティナの工房に戻ると、ウェグナーのエアポートチェアやヤコブセンのセブンチェアが、張替待ちの順番に加わっていました。
さすがデンマーク。国内のデザイナーチェアは、人々の日常に溶け込んでいるんですね。
このベアチェアはがしてね。
とティナから渡されたベアチェアは、よく見ると、アームの先のツメの形や全体のバランスが妙です。
そう、ウェグナーのベアチェアではなく、他のデザイナーのベアチェアでした。
デンマークでは、ウェグナーのベアチェアだけではなく、よく似た同じようなタイプの椅子もベアチェア(Bamsestol バムセストール)と呼ばれています。
今回のベアチェアは、Simoというメーカーで製造されたもので、Bent Moller Jepsen がデザインしたベアチェアでした。
Bentさんすごいな。どう見てもパクリやん…
と苦笑いしながら張地をはがしていくと、製造メーカーのSimo以外の、他のメーカーの名前が出てきました。
調べてみましたが、このメーカーがベアチェアを製造していたということは分からなかったので、木部のフレームだけ委託されて製造していたのではないか、というのがティナと私の予想です。
知られざる歴史をひも解くようで、古い椅子の張替作業はとても面白いです。
それにしても、メーカー名と一緒に記載されている電話番号が、Raarup 50 という衝撃の2桁番号で、製造された年代の古さがよく分かります。
電話を直接相手先にかけるのではなく、交換手につないでもらう時代の番号ですね。
ところで、ようやく週末ゆっくりできるようになったので、ずっと行きたかった展覧会に行ってきました。
Aalborgのモダンアートミュージアム Kunstenで開催中の Formens magi -design og kunst (形の魔法 ーデザインとアート)です。
https://kunsten.dk/en/exhibition/the-magic-of-form-design-and-art-12501
デンマークではおなじみのウェグナーやヤコブセンの家具たちを、デザイナー別や年代別に展示するのではなく、その他のアートやデザイン、建築作品との関係性と共に展示する、新しい展示方法だそうです。
そして、このKunstenの建物はフィンランドの建築家アルヴァ・アールトの設計でもあるのです。
https://kunsten.dk/en/content/alvar-aaltos-holistic-experience-7396
これは、さらにワクワクします。
展覧会会場に入ると、1950年代のデンマークの職人さんが、デザイナーの家具を制作している映像が流されていました。
ザ・チェアを手作りしている職人さんの様子なども見ることができて、とても面白かったです。
家具作りの技術は、今も昔もあまり変わらないんだなぁ、と思いながら見ていました。
それ以外にも、斬新な展示方法がたくさんありました。
カラフルな展示の次は対照的なモノクロの展示で印象的でした。
デンマークではお馴染みのクラシックデザイン家具たちが、趣向を凝らして斬新に展示されていて、とても面白かったです。
新たな発見や学びがあって、充実した休日となりました。