ティナの工房で現場研修(praktik)を始めて、2週間が経ちました。
毎日腕がパンパンで、家に帰ると体はぐったり疲れていますが、研修はとても楽しいです。
郊外にポツンとあるティナの椅子張り工房兼ショールームには、意外とお客さんがたくさんやって来て、ティナはそのたびに作業を中断して、毎回丁寧に接客しています。
3人の子どもの母親でもあるティナの元には、仕事の電話以外にも、子どもから電話があったり、工房の隣にある自宅から子どもたちが代わる代わる工房にやってきてはママとおしゃべりしていったりするので、ティナはいつも忙しそうです。
それでもイライラしたりせずに、私の質問にもいつも笑顔で答えてくれます。
どんなに忙しくても、お客さんにも家族にも研修生にもきちんと丁寧に対応していて、すごいなと思います。
デンマークの老舗家具メーカーで椅子張り職人として10年以上働いたティナは、その後独立して13年が経ちます。忙しい合間のティナの作業スピードはかなりの早さで、あっという間に椅子張りを仕上げていくので、毎回驚かされます。
師匠、さすがです。
この2週間の私の研修作業は、以下の内容です。
・小椅子の古い張り地やウレタンの剥がし作業 10脚
・小椅子の座面の下張り作業 4脚
・小椅子のウレタンの切り出し作業 13脚
・2人掛けソファの古い張り地やウレタンの剥がし作業+下張りの補修+ウレタンの切り出し作業 1脚
・座クッションのウレタンの切り出し作業 12個
・座クッションカバーの型取り、張地の切り出し作業 12個
どれも初めての作業ばかりでしたが、ティナからは「これやってね」と課題を与えるだけです。急かされることなく、自分のペースで自分のやり方で作業を進められるので、私としては、ストレスなく働ける環境で良かったです。私があまりにも非効率な方法で作業をしている時はティナがやってきて、簡単で効率の良い方法を教えてくれます。
なんだかデンマークらしいなと思ったのは、PP Møbler、 N.O.Møller、Getamaなどのデンマークの名作クラシック家具たちが、他の名もなき家具たちと同じように、張り替え待ちの順番に普通に並んでいることです。ティナから何気なく渡される椅子たちの中に、見たことのある名作が混ざっていて、驚きます。
特に決まった研修期間はないのですが、まずは1ヶ月、ティナの元で研修させてもらうことになりました。あと2週間、まだまだ学ぶことはたくさんありますが、敬愛する師匠ティナの元で、楽しく一生懸命働こうと思います。