北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)5 クリスマス休暇

昨日の冬至が、今年最後の出勤日となりました。

今日からは、約2週間のクリスマス休暇です。

 

コロナの影響で、毎年恒例のクリスマスイベントが中止になったとはいえ、クリスマスの買い出しや家族や友人との集まりで、12月は結局忙しく過ぎていきました。

あっという間に、もうクリスマスを迎えます。

 

日本では冬至を意識したことはほとんどありませんでしたが、デンマークで車の運転を始めてからは、冬至が待ち遠しくて仕方ありません。

今日から毎日少しずつ、朝明るくなる時間が早くなって、夜暗くなる時間が遅くなっていきます。朝夕少しでも明るくなると、街灯のない真っ暗闇な通勤路が、だいぶ運転しやすくなって助かります。

工房での会話も、「今日は冬至だね。明日からは日が短くなるんじゃなくて長くなっていくなんて、贅沢ね。」という具合です。

 

12月もティナの工房では、たくさんの新しい課題に取り組ませてもらいました。

 

ミシンの縫い目がほどけてしまった革張りのソファを手縫いで縫い直したり。

色褪せて薄汚れてしまっているけど、質は上質な革のソファの革を、専用の顔料で染色したり。

150年前の古い椅子の張り直しの仕上げの鋲打ちをしたり。

いつもの古い家具の張地の剥がし作業や下地の張り直し作業以外にも、いつも新しく取り組む課題があって楽しいです。

 

初めての鋲打ちでは、85歳のベテラン職人のへニングが、隣でものすごく簡単そうにトントン打ち込んで行くのを見ながら、私も同じ調子で打ち込もうとするものの、全く思うようにいきませんでした。

かなづちで打ちつける度、鋲があらぬ方向へひん曲がってしまいます。

 

鋲を一つ一つものすごく集中して打ち込んでいっても、やり直しの嵐でとっても疲れましたが、何とか1つ完成させることができました。

新しい課題はいつも難しいですが、完成するととても嬉しいです。

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いつもオシャレなへニングは、革靴姿で足を組んで優雅に鋲を打ち込んでいきます。

工房の出勤最終日の帰り際に、ティナがサプライズでクリスマスプレゼントをくれました。

とても嬉しかったのですが、

しまった!私はティナに何にも準備していない!

と慌てて、私はクリスマスプレゼントを用意してないと伝えると、ティナが、職場からのプレゼントだからあなたは用意しなくて良いのよ、と教えてくれました。

 

職場から従業員へクリスマスプレゼントを贈るのはデンマークの文化らしく、そういえば去年もバイト先でプレゼントをもらったことを思い出しました。

 

なんだか嬉しいこと尽くめの今年最後の研修日を経て、今日からのクリスマス休暇も楽しく過ごせそうです。

みなさんも、素敵なクリスマスをお過ごし下さい。

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ティナからの可愛くてオシャレなクリスマスプレゼント。師匠、素敵です。