北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)6 雪景色

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近所の森もすっかり雪景色です。

初出勤は朝から吹雪きで、2021年は緊張の早朝運転で始まりました。

翌日は積雪があり、車がスリップしてとても怖かったです。

 

雪国育ちで雪は好きなのですが、雪道運転は好きではないので、嬉しさと恐ろしさの混ざり合った気持ちで、毎日雪空を眺めていました。

空を舞う雪も、木の枝に積もる雪も、とっても綺麗なのですが…

正直、春が待ち遠しいです。

 

現場研修では、今週もいろいろな課題に取り組ませてもらいました。

 

コロナウイルスの感染拡大が深刻になってきたデンマークでは、病院や薬局、スーパーマーケットなどの生活に必要な機関以外の屋内施設は、ほとんど閉鎖されています。

 

そこで「この閉鎖期間に張替をしよう!」と近くのフィットネスセンターからトレーニング器具の張替の依頼がありました。

コロナの影響で経営が大変なんじゃないかと思いきや、前向きにリニューアル計画を進めていて、感心です。

 

私は、自転車のサドルのような形のクッションの張替作業をしています。

今までは、ミシンで直線だけを縫っていたのですが、今回はいろんな曲線があって少し難易度が上がっています。

難しいことに少しずつチャレンジさせてもらえることはとても楽しくて、ティナが私の様子を見ながらいろんな課題を与えてくれるのは、とてもありがたいです。

 

黒とグレーのビニールレザーで張られていたトレーニング器具たちは、真っ赤なビニールレザーに張替えられていきます。

ボクシングジムみたいになるんじゃないかと少し心配ですが、これで利用者さんたちのやる気がアップすると良いな、と思います。

 

私がそんなことを考えながら作業している隣で、ベテラン職人のへニングがすごくカッコイイ家具の張替をしています。

お客さんがオークションで買ったビンテージ家具の張替えをしているというので見せてもらうと、フリッツハンセンのロゴマークとデンマークの有名オークションBruun Rasmussenのシールが張ってありました。

おお!これぞデンマーク!

 

85歳のへニングは現役を引退しているものの、たまにお客さんから椅子の張替の依頼があるそうで、ティナの工房を借りて作業しています。

 

こんな風に、さりげなく名作家具が隣で張替えられている日常が、楽しく嬉しく、愛しいです。

私もあんな風にいろんな家具を張替えられるよう、今は修行に励む日々です。

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慣れた手つきでさっさと椅子を張り替える85歳のベテラン職人。かっこいい!