先週までは、毎朝緊張の雪道運転でしたが、今週は気温が上がって雪も溶け、ほっと一息です。まだまだ冬のど真ん中ですが、春が待ち遠しいです。
今週は、少し古めの家具をいくつか張替えました。
古い家具の張地をはがして下地を修理するのは、主に私の役目になっています。
家具の張地をはがすときは、プレゼントの包みを開けるときみたいにワクワクする。
と以前ティナが言っていて、素敵だなと思いましたが、本当にいろいろな下地や張り方があって面白いです。
今週取り掛かった大きなソファは1920年代の物で、約100年前の家具になります。
張地をはがすとびっくり、背面の上部には丸い木の棒がそのまま、下地なども巻かれず、固定もされず、ただ置いてある状態でした。
ティナも、こんな下地初めて見た!と驚いていて、
昔はプラスチックもウレタンフォームもなかったから、丸い形を出すには丸い木が最適だったのかな。
と話していたら、へニングがやって来て、
ああ、僕も昔こういう下地使ってたよ。
と教えてくれて、ティナと二人で更に驚いて、みんなで笑ってしまいました。
さすがこの道50年以上のベテラン職人!85歳のへニングから、ティナも私もたくさんのことを教えてもらっています。
古い家具の張替えをしていると、便利な材料や道具の無い時代の職人さんたちの創意工夫が垣間見れて、とても面白いです。
上の写真は、古いダイニングチェアの座面の下地です。土手のように盛り上げた干し草を麻のテープでぐるりと巻いて固定して、その内側に干し草が詰め込まれていました。
そんな使い方もあるのか! と感心です。
ティナの工房では、使えそうな物や状態の良い物は、古い材料でもなるべくそのまま使うようにしています。
便利なプラスチックやウレタンは数十年で使えなくなってしまいますが、自然素材は100年以上も使えるので、本当に優れた素材だな、と感動します。
デンマークでは昔に比べて、こんな風に古い家具を張り替えて使い続ける人も、古い家具を張替えられる職人さんも少なくなってきたそうですが、未来に残したい大切な文化だな、と改めて思います。