北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)14 英国ビンテージ家具

デンマークに新緑の季節がやってきました!

日に日にまぶしくなっていく鮮やかな緑と、もうすぐ満開になりそうな菜の花畑の広大な黄色い絨毯を見ると、自然と元気が湧いてきます。

ただ、ここ数週間曇りや雨の日が続いているので、太陽と青空が恋しい今日この頃です。

f:id:Hokuohkomonosen:20210515193107j:plain

近所の森では、今年も羊たちの放牧が始まりました。

先日ティナの工房で、デンマークではあまり見かけないタイプの革張りのシェーズロングソファの張替を行いました。

見た目も仕様も少し変わってるな、と思いながら作業を進めていきましたが、一番珍しかったのは、仕上げの鋲の頭が全て張地と同じ革で装飾されていたことです。

f:id:Hokuohkomonosen:20210515193222j:plain

木の装飾が美しい革張りのシェーズロング

f:id:Hokuohkomonosen:20210515193310j:plain

鋲の頭が一つ一つくるみぼたんの様に、丁寧に革でくるまれています。

ティナも、こんな鋲初めて見た!と言っていて、デンマークではあまり見かけない仕様のようです。

 

作業を進めて行くと、座面の隙間から見たことない硬貨が2枚こぼれ落ちて来ました。

f:id:Hokuohkomonosen:20210515193359j:plain

硬貨から、ELIZABETH ⅡとONE SHILLING 1958 の文字が読み取れます。

そして、張地の革の裏には初めて見るスタンプが押されています。

f:id:Hokuohkomonosen:20210515193454j:plain

革のスタンプには、LONDONの文字。

ははーん、こいつは...

 

これイギリス製だと思う!

と、意気揚々とティナに伝えると、

私もそう思う!

と、硬貨やスタンプを見せるまでもなく、笑顔で即答されてしまいました。

 

どうやら、持ち主さんはイギリス人で、家具はお母さんから譲り受けた物だということです。

 

そういえばこの前、流暢な英語とデンマーク語で話してるお客さんが来てたな~と、そこでやっと思い出しました。お客さんは、学校で英語の先生をされているそうです。

 

鋲をわざわざ張地と同じ革でくるむなんて、イギリス人も丁寧な家具作りをしているんだなぁと、感心してしまいました。

行ったことのないイギリスにも、いつか行ってみたいな~と夢が膨らみます。

 

さて、毎日楽しいティナの工房での現場研修は今週で一旦終了です。

来週からは、久しぶりに学校での授業、椅子張り職人の本コース1が始まります。

 

進学はとっても嬉しいのですが、新しいクラスメイトと新しい先生なので、同じ学校へ行くにも、少し緊張します。みんな良い人だといいな。

来週からも、また楽しく頑張ります。