北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)8 新聞効果

今週は気温が一向に上がらず、デンマークでは一日中マイナス気温の日が続いています。ただ、そんな中でも日照時間が長くなっていくのを日に日に感じられるのは、嬉しい限りです。

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マイナス6℃の朝、工房から真っ赤な朝焼けが見えました

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連日のマイナス気温で木も草も白く凍りついた景色は、とても幻想的です

最近のティナは、お客さんからの問い合わせがひっきりなしで、電話、メール、訪問の対応に追われています。

何故急に問い合わせが増えたのかというと、先週地元の新聞記者に取材された内容が、早速掲載されたからだろう、というのが推測です。

 

ティナのインタビュー記事は「椅子張り職人はコロナ禍で大忙し」という題名で、地元新聞の見開きページに大きく掲載されていました。

以下、ティナのインタビュー記事を簡単にまとめてみました。

 

「2020年春の最初のロックダウンの時は仕事が少なくなりましたが、その後個人のお客さんからの椅子の張替の依頼が徐々に増えていきました。

みんな家にいる時間が長くなって、自分たちの古い家具をずっと見ているうちに、少し綺麗にしたくなったのではないでしょうか。旅行へも行けないので、その分浮いたお金を他のことに使っているのかもしれません。

それに、古い家具を張替えて長く使うことは、新しい家具を買うよりもずっとサスティナブルだと、より多くの人が気づき出したのだと思います。」

 

これを読んだ地元の人が、自分の家具も張り替えたいと思ったのか、新聞に記事が掲載された翌日から、問い合わせが急増しています。

 

ちなみに、ティナは取材が苦手だそうで、本当は断りたいんだけど、無料で宣伝してもらえるから、という理由で仕方なく引き受けたのだとか。

 

さすが師匠、効果抜群です。

 

新聞取材の次はラジオの出演依頼もあったそうですが、さすがにそれは断ったそうです。

 

記事が掲載された新聞は購読者限定なので、ティナも私も見ることは出来ないと思っていたのですが、へニングがどこから入手してきて見せてくれました。

大きな見開きページのその記事の真ん中にドドーンと一番大きく掲載された写真は、ティナではなく、取材の日にたまたま工房で一緒に作業していたへニングの写真で、私は思わず吹き出してしまいました。

 

さすがベテラン職人、新聞取材もベテランです。

 

新聞記事のおかげで、コロナ禍でもまだまだ忙しい日々が続きそうで、ありがたい限りです。