北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)9 病欠への理解と寛容さ

デンマークにも、やっと春がやってきました!

マイナス気温を脱却して、ぽかぽか陽気が続いています。

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近所の森の木々も、春の陽を浴びて新芽がぷくぷく膨らみそうです。

そんな春の陽気が気持ちの良い今日この頃ですが、実は今、3週間の病欠中で研修をお休みさせていただいています。

 

数年前からデンマークで不妊治療をしているのですが、なかなか上手くいかず、不妊の原因となっている婦人病の病巣を取り除く手術を、2週間前に行いました。

 

手術をすることは半年前から決まっていたものの、コロナの影響でいつ手術を行えるのか全く分からない状態だったのですが、先日、無事手術を終えることができました。

 

いつになるか分からない手術を控えていること、手術後は3週間の自宅療養をしなくてはいけないこと、数年前から不妊治療をしているけどうまくいっていないこと、手術が終わればまた不妊治療を再開することは、研修の正式契約を結ぶ前から、ティナに話していました。

 

研修生を雇う側にしてみれば、何というか、ものすごく面倒な条件付きの研修生なので、ただでさえ外国人ということで言葉の不利もあるし、こんな私を雇ってくれる研修先なんてあるのか、研修先を探している時はものすごく不安でした。

 

でも、ティナに手術や不妊治療の話を打ち明けたときの彼女の反応は、

 

それは楽しみね!

 

という驚くほどあっさりとした、ポジティブなものでした。

 

私は、この話をして研修先になってもらう話が白紙になることも覚悟していたのですが、ありがたいことに、ティナは私のこの面倒な条件も知った上で、研修先になってくれました。

 

手術は大変だけど、それで妊娠の確率が上がるなら楽しみね。

 

というのがティナの意見で、仕事を長期間休まれたら困るな~とか、不妊治療で仕事をちょこちょこ抜けられたら困るな~とか、そういったネガティブな言葉は、全くかけられませんでした。

 

それよりも、昔見たデンマークの不妊治療のドキュメンタリー番組の内容を教えてくれたり、上手くいくといいね、と言ってくれたりして、とてもありがたかったです。

 

デンマークで暮らしていて感じることは、みんな病気の話を結構オープンにしていることです。

初めて会った人にも、自分の病気の話や今度受ける検査の話などを、普通の世間話のようにオープンに話すデンマーク人に何度も会ったことがあります。

 

そして、病気で仕事を休むことに関しても、それは誰にでも起こること・必要なこと・避けられないこととして、職場や社会全体で理解し、寛容に受け止める雰囲気があるように思います。

 

私もその立場になって、そのありがたさを身をもって感じています。

仕事を休んで申し訳ないという気持ちはもちろんありますが、少し気が楽になって、ゆっくりと療養に専念出来ているように思います。

 

予定通り、来週には仕事に復帰出来そうだとティナに連絡すると、完全に元気になってから仕事に復帰しなくちゃダメよ!と返事が来ました。

 

師匠の優しさには、本当に感謝でいっぱいです。

 

今は仕事に復帰できるよう、よく寝て、よく食べて、ほどよく散歩して、体の回復に専念しつつ、春の陽気が嬉しい毎日です。