北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

本コース1 3週目 セールスの授業と椅子作り開始

 

今週はデザインの授業に加えて、セールス&サービスという授業がありました。

私たちの教育過程では、卒業後は独立して椅子張工房を開くことが出来るので、セールスについても学ぶ必要があるそうです。

第一印象やボディランゲージの大切さ、商品に見合った適格な顧客層の絞り込み方について学びました。

職人の学校とは言え、卒業後に独立して働くなら、確かに技術力以外にも接客や集客が必要になってきます。

そんな所まで学べるとは、デンマークの職人教育は、卒業後にちゃんと社会で実践的に働ける人を育てる教育を目指しているのだな、と思いました。

 

ただし、授業時間が短い割に情報量が多すぎて、身につくような身につかないような感じではありましたが…

 

セールス&サービスの授業の後は、他のクラスメイトたちもみんなぐったりしていましたが、私は知らない単語だらけの上に、今まで馴染みがなかった分野だったので、先生が何について話しているのか検討もつかなくて、ものすご~く疲れました。

 

授業で習った手法を用いて、それぞれのデザインした子ども用の椅子に合う顧客層を絞り込む、ということを、最後に提出するレポートに書かなくてはなりません。

 

レポート作成は毎回大変ですが、今回もヒーヒー言いながら頑張っています。

 

そんなぐったりなセールス&サービスの授業が一段落したところで、やっと本格的に課題作成の授業が始まりました。

 

今回は、デザインも作り方もみんなバラバラなので、椅子張りを習うというよりは、自分で考えて作る、というスタイルです。

もちろん、質問や相談はいつでも先生に出来ますが、手取り足取り教えてもらえる訳ではありません。

 

私は、自分の技術力に比べて少し難易度が高めのデザインにしたので、なかなか思うように作業が進みません。

 

ウレタンで形を作るまでは予想通りに進めたのですが、張地を張るのが大変です。

曲線と曲面だらけで、Auto CADで描いた図とウレタンの形が完全に一致しないので、結局ウレタンに合わせて一つ一つ型出ししていかないといけません。

張地も、よく伸びるウール素材で、張地がウレタンの形になかなかピッタリ合いません…

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ウレタンを切り出します。

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丸く切り抜いた後に、パズルのパーツに分けて接着します。

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最上部のパーツには木材を入れて、ゆらゆら揺れやすいように硬めにします。

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積み重ねて荒削りしていきます。

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少し歪んでいるけど、だいたい丸くできました。

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厚紙の型で確認しながら、曲線をなめらかにしていきます。

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やっと、なんとかウレタンの形にあった最上部のパーツの張地です。

この張地を作るだけで、1日かかってしまいました。

ちゃんと完成するのか、不安です。

 

他のクラスメイトたちは、デザイン授業ではかなりアグレッシブな3D曲線のような家具のアイディアを出していましたが、いざ作り出すと、みんな直線でシンプルな形で作っていて、張り切ってこんな曲線だらけの家具を作っているのは私だけです。

 

しかも、パズルのように4つのパーツに分かれるので、複雑な張地がたくさんあるし、ちゃんと組み合わせられるようにしないといけません。

 

しまった…大変だ…

 

そういえば、基礎コースのときも張り切って大変だったことを、今さら思い出しました。

 

でも、これは何としてでも完成させたい!

ので、頑張ります。