北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

3 days of design

気持ちの良い青空のコペンハーゲン

先日、コペンハーゲンで開催された3days og design というインテリアのイベントへ行ってきました!

https://www.3daysofdesign.dk/

 

今年は開催10周年という節目の年でしたが、私は初めて参加してきました。

3days og designは、大きな一つの会場で行われる展示会ではなく、コペンハーゲンの街中のあらゆる場所で、3日間だけさまざまなメーカーやデザイナーがインテリアの展示会を行うイベントで、誰でも自由に見学することができます。

 

今年は約300もの展示が行われ、たくさんの人で賑わっていました。

会期中は、それぞれのメーカーが工夫を凝らした展示以外にも、たくさんのイベントを開催しています。

同じ時間帯にたくさんのイベントが開催されるので、これは参加したい!というイベントにピンポイントで参加することになります。

イベント情報や地図を掲載したアプリが、イベント開催期間の数週間前からダウンロード出来るようになるので、参加される場合は、是非アプリをダウンロードすることをおススメします。

それでは、イベントの様子をお伝えします。

 

街中に大きく掲げられた3 days of designの広告

3days of designの展示会場にはこの黄色い風船が掲げられていて、目印になっています。
風船を目にしたら、是非中をのぞいてみて下さい。

展示会場が多すぎてとても全部は回れませんでしたが、私が見学した会場の一部をご紹介します。

 

【PP Møbler】

https://pp.dk/

 

デンマーク家具デザインの巨匠ハンス・ウェグナーのデザインした椅子を数多く取り扱っているデンマークの家具メーカーです。

 

今年の3daysofdesignに初めてのフラッグシップショップをオープンするということで、見学してきました。

世界的に有名なメーカーですが、なんと今までショールームを持っていなかったとのことで、驚きました。

ビールで有名なカールスバーグの元工場跡地という、趣のあるとても素敵な場所にありました。

シンプルな入口は、素材や色使いがキレイです。

中に入ると、名作が勢ぞろいです。

私の大好きな張地メーカーKjellerup Væveriとのコラボレーション展示

色使いが可愛いすぎます

家具職人さんの実演も見ることができました

こちらは椅子張り職人の実演

この椅子張り職人さん、クラスは違いますが私と同じ学校の生徒で、PPmøblerの研修生です。

 

フラッグシップストアに飾られていたウェグナーの椅子のミニチュア

このミニチュア椅子、実は日本人の方が趣味で作っているんだそうです。

その名も TT Møbler。

https://www.ttmobler.jp/

 

それにしても、精度がめちゃくちゃ高くて驚きました!

PP Møblerの社長さんがTT Møblerのファンで、少しずつ買い集めているんだそうですよ。

 

 

【House of Finn Juhl】

https://finnjuhl.dk/?gad=1&gclid=Cj0KCQjwy9-kBhCHARIsAHpBjHhg9SdDI2_XLd7vZpG60vmCV1IQKoA6eIkD8tzgcbbKIZzOfk3YSdcaAsLEEALw_wcB

 

こちらはその名の通り、フィン・ユールの家具を制作しているメーカーです。

木使いが美しいショールームの入口

数年前まで日本でも制作されていたNo.53。
今は木部のみ日本で制作されているそうです。

エジプシャンチェアのクイっと曲がった先は、どうしても撫でてしまいます。

名作No.45

初めて見たウィスキーチェアは、2022年に復刻が開始されたそうです。

ペリカンチェアはモコモコの張地が張られていました。

我らがジャパンチェア

会場の両サイドは回廊になっていて、フィンユールのスケッチや家具が飾られています。

日本の襖からデザインされたという引き違いの扉と取っ手

ここでも椅子張り職人が実演をしていました。
今学校へ通っていると言うと、少し手縫いを体験させていただけて、感激しました。

 

 

【Fredericia Funiture】

https://fredericia.com/

 

光のたっぷり入る明るいショールームに、ナチュラルな家具がゆったり配置されていて、とても心地良い空間でした。

モーエンセンの名作J39。色使いが新鮮です。

自然素材のほっこりする組み合わせも素敵です。

モーエンセンが自宅で愛用していたソファは、年季が入ってカッコ良すぎです。

最上階のショールームからは、コペンハーゲンの街並みを見渡せます。

椅子張り作業の際にどうしても出てしまう端材を利用した椅子です。
布を縫い合わせるのは、デンマークで仕事を得るのが難しい難民女性たちだそうです。
環境配慮と難民支援をしながら、デザインとしての面白みもあり、とても良いアイディアだと思います。

ショールームを見学していると、イベントでランチをいただくことができました。
とても美味しいベジタリアン料理でした。

夜はショールームで、カクテルパーティーがありました。
招待客のみのイベントでしたが、テラスは人で溢れかえっていました。

 

 

【mater】

https://materdesign.com/

 

サスティナブルな製品作りをしているデンマークの家具メーカーです。

コーヒー豆や乳製品のカートンなど、廃材を加工した材料を使って、環境問題に取り組んでいます。

廃材を使って開発された材料は、色も素材感もとてもオシャレで驚きました。

新たな製品を作りながら環境問題とどう向き合っていくのか、これからのものづくりにおいて、とても大切なテーマだと思います。

コペンハーゲン中心部にある古い教会の中で開催された、とても素敵な展示場でした。

materが扱う廃材の展示

開発中の材料たち。色も素材感も、本当に素敵です。

キレイな色合いのこちらの椅子は、モーエンセンのデザインです。

こちらはナナディッツェルデザインのアウトドアチェア。
緑の色がトレードマークのビール会社、カールスバーグの廃材が利用されています。

展示場の外で、軽食とドリンクをいただきました。

芝生に座りながらの談笑は、とても心地よかったです。

デンマークで暮らして、家具に関わる仕事をしていても、なかなかこんな風にたくさんの家具を一同に見られることはないので、とても貴重な機会となりました。

とても良いお天気の中、たくさんの出会いにも恵まれ、本当に充実した3日間でした。

こんな素敵なイベントに誘っていただいた友人に、感謝感謝です。

 

さてティナの工房は、来週末から4週間の夏休みです。

私は、5年半ぶりに日本に一時帰国することになりました。

久しぶりの日本で、家族や友人と美味しいごはんを食べられるのが、今から楽しみで仕方ありません。

みなさんも、どうぞ素敵な夏をお過ごしください。