北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

現場研修(Læreplads)52 ソファの修理とかき揚げうどん

今週も、ティナの工房では様々な椅子の修理に取り組みました。

少し珍しいソファがあったので、ご紹介します。

張地を剥がした後のソファ

こちらの古いソファは、一見すると状態はそんなに悪くなさそうですが、背中とアームがぐらぐらでしっかり固定されておらず、座面のスプリングの上下に張ってある下地材も相当傷んでいたので、座面の枠だけの状態になるまで、解体しなくてはいけませんでした。

ソファの座面の枠のみの状態

大きなソファをここまで解体するのは珍しいことですが、必要な物は修理しなくてはならないので、仕方ありません。

ここからまた丁寧に修理しながら、ソファを組み上げていきます。

 

ところでこのソファ、持ち上げるときに何故か異常に重かったんですよね。

いつもいろいろな家具の持ち運びに慣れているはずの私たちですが、

ティナと二人で「なんでこのソファこんなに重いの~???」と、持ち上げるのに一苦労しました。

 

張地をめくってみると、外れ掛けの背面とアームを固定するのに、すごく立派なチェーンが使われていました。

アームの中に隠されていた太いチェーン

どうやら、このチェーンのおかげで異常に重かったようです。

それにしても、何でこんな材料を使っているのかと思ったら、ソファの持ち主さんが船の会社の社長さんだそうで、以前自分でソファを修理したことがあると言っていたらしいのです。

ティナが、たぶん船用のチェーンを使ったんだと思う、と教えてくれました。

 

外れかけた背面とアームなら、木工用ボンドで固定し直せば良いものを、修理の仕方も人それぞれだなぁ、と苦笑いして見ていたら、アームの裏に鉛筆で走り書きがあるのを見つけました。

そこにはデンマーク語で、「1997年1月、私はソファを直しました。同じ年、ナナは初めての歯が生えてきました。」と何とも微笑ましいメッセージが書かれていました。

メッセージの最後には、ソファの持ち主さんの名前が書いてありました。

アームの裏に書かれたメッセージ

長年大切にされてきたソファに隠された家族の思い出に、微笑ましい気持ちになりました。

また、この先も何十年と大切に使っていただけるよう、しっかり修理したいと思います。

 

 

ところで、先週末は嬉しいことがありました。

椅子張り職人の学校のクラスメイトが、恋人を連れて我が家に遊びに来てくれたのです。

学校での授業の間は仲の良いクラスメイトたちでも、授業のない時期のプライベートを共に過ごすことはほとんどないので、親しい友人が出来て、私はとても嬉しいです。

 

私の夫も一緒に、みんなでワイワイ手打ちうどんとかき揚げを作って食べました。

うどんもとても美味しかったですし、みんなでたくさんおしゃべりして、とてもヒュッゲな休日となりました。

みんなで美味しいかき揚げうどんをいただきました。