デンマークでは、サマータイムが始まりました。
時計の針を1時間早めるという、日本では馴染みのない習慣ですが、これにより夕方の時間がとっても明るくなりました。
これで、夏に向けて気分は盛り上がってくるところですが、朝はまだまだ氷点下の日が多いです。
日中との気温差が大きいので、深い霧に覆われることもあります。
今週は、うっすら雪の積もった朝もありました。
気温は寒くても、太陽や青空が見えて、明るい時間が長くなるのは、それだけでとても嬉しくなります。
さて今週は、少し変わった椅子の張替がありました。
椅子の座面の底に、麻のテープではなく、薄い金属のテープのようなものが、釘で固定されていました。
何故わざわざこんな薄くて細い金属を?これ、オリジナルの仕様じゃないよね?
どんな修理の仕方なんだ?
とティナと話しながら、とりあえずこの金属を外してみました。
椅子張り職人歴25年のティナも、見たことが無い仕様だそうです。
金属を留めていた釘の跡を見ると、それ以外に何か他の材料が底に張られていた痕跡が無いので、どうやらこれが、元々のオリジナルの仕様のようです。
よく見ると、背中の内側にも、同じような金属部材が使われています。
座面の金属部材を外した下には、コイルクッションがありましたが、このコイルのデザインも、初めて見る形でした。
底面の金属テープだけでコイルクッションを支えるのは不安なので、麻のテープで底面を補強しました。オリジナルの金属部材も、一応元通りに設置しておきました。
なんだか変わった椅子だな…
と思っているとティナが、オランダ製の椅子だからかもしれない、と教えてくれました。
なるほど。同じヨーロッパで同じようなデザインの椅子を作っていても、材料や構造は国によって微妙に違うんだなと、勉強になりました。
ティナがいつも言うように、椅子の張り方や修理の仕方は、本当に千差万別です。
毎回その椅子ごとに、新しい張り方や構造があって、25年やってても飽きないのが椅子張り職人の良いところ、なのだだそうです。