北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

本コース5 2週目 革メーカーの見学と椅子張り作業

さて、今週からどんどん椅子張りを進めていきたいところですが、月曜日はデンマークの革メーカー CAMO Leathersを見学してきました。

https://www.ca-mo.com/en/

 

本当は去年の授業(本コース3)で見学に行く予定だったのですが、まさかの会場に着く直前でキャンセルになってしまい、見学できないままになっていたのです。

そこで、今回は希望者のみ見学できることになり、せっかくなので見学に行ってきました。

 

デンマークで革の加工をしているのかと思いきや、加工は全てイタリアで行われているそうで、加工の様子をビデオで見せてもらいました。

見学できたのは革を保管している倉庫だけでしたが、いろいろな種類の革の説明をしていただけたので、良い勉強になりました。

こちらは珍しい凹凸の加工がされた革。伸ばして張ると不思議な模様になります。

こちらは表面の保護加工を全くせずに染色だけをほどこしたアニリンレザー。
染色だけの革は、こんな風にピカピカの革になるそうで、不思議です。

革の保管庫

私が去年学校で張った椅子に使った革と同じヌバックのアニリンレザーを見つけました!

こちらが、私が去年学校で張った椅子です。

ヌバックのアニリンレザーは柔らかい肌ざわりで、冬でも冷たくならないし、夏でも汗でベタついたりしないので、本当に気持ち良くて、とても気に入っています。



火曜日からは、どんどん椅子張り作業を進めていきました。

まずは、座面の伝統工法張りから始めます。

去年張った方法とほぼ同じ張り方なのですが、びっくりするくらい忘れていたので、もう一度張る機会があって、本当に良かったと思います。

学校を卒業すると、こんな風にきちんと伝統工法の張り方を一から習う機会はほぼないので、卒業前にしっかり覚えておかなくてはなりません。

先週張った麻テープの上にスプリングを固定して、麻ひもで高さを調整します。
これが、一番難しい工程です。

特に、座面の最前列のスプリングの高さの調整が難しいのですが、ここをしっかり抑えておかないと、キレイに椅子が張れないので、慎重に作業を進めます。

スプリングの上に麻布を被せて、麻ひもで縫い付けていきます。

麻草を薄くのせて、縫い付けます。

その上に干し草をたっぷりのせます。

その上に麻布を被せて縫い付け、干し草を固定させます。

その後、座面の角を縫い付けます。

今週の作業はここまでです。

 

卒業試験で椅子張りに使える時間は112時間です。

112時間以内に全ての作業を終えなければならないので、作業工程の時間管理はとても重要になってきます。

みんなそれぞれ自分で工程時間を計画しているのですが、今のところ、誰も計画通りの時間内に作業を終了出来ていません。

みんな、卒業試験でちゃんと時間内に張り終えられるのか不安でたまりませんが、これまでほとんどの生徒がちゃんと卒業試験に合格しているから、私たちもきっと大丈夫!と励まし、助け合いながら、それぞれの作業を進めています。

 

今週は、放課後にクラスメイトたちとデンマークの恋愛映画を見てHyggeに過ごしました。

このメンバーで過ごせるのもあと少しかと思うと寂しい気持ちになりますが、みんなで笑顔で卒業できるように、一緒にがんばろうと思います。