北欧古物専

デンマークで椅子張り職人の学校に通っています

16.uge 16週目 伝統工法4

今週は、待ちに待った学校再開です。朝の通学時間の明るいこと!

2か月前は、街灯のない真っ暗な道を猛スピードで運転する地元民に混ざって、毎朝ビビりながら運転していました。しかもほとんどの日が雨や強風で、とても運転しにくいコンディションでしたが…

もうすっかり夏模様のデンマークは、朝から青空に太陽がサンサンと輝いています。さらに暗くて全く見えなかった道の両脇には、一面まっ黄色な菜の花畑が広がっています。とても同じ道を運転しているとは思えない変わりようですが、通学時間がとても気持ちよくなりました。

 

学校の授業は、今まであった体育や自習時間がなくなり、全て椅子張り専門の授業に割り当てられることになりました。超特急で基礎コースを終わらせなくてはならないからです。さらに今月と来月は祝日が多く、今週はさっそく4連休です。

 

学校ではコロナ対策についての簡単なルール説明の後、伝統工法のスツール作りにとりかかりました。

自宅で縫った箇所は先生にダメ出しをされて、やり直すことに…

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側面の下地布を縫い直します。

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ボリュームの足りないところに麻草を補充して、麻糸で縫い付けます。

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側面にコットンを縫いつけます。

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側面の下地布を底に巻き込んでタッカー(ホッチキスのような針)で留めていきます。頑張ってきれいに留めたのに、この後全て外すことに…

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仕上げの張地の切り替え位置のすぐ下をタッカーでぐるりと留め、それより下の下地布とコットンを切り取ります。

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下地布の上をコットンで覆います。

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仕上げの布をタッカーで留めていきます。

仕上げの布をピンと張るのに腕力が必要で腕が筋肉痛ですが、久しぶりの椅子張りは、やっぱり楽しいです。

伝統工法は仕上げも手縫いが多いのかと思いきや、今回はタッカーでがんがん留めていくようです。留め方は、椅子の形によって違うのだと思います。

私以外の生徒はみんな革張り仕上げで、布張り仕上げは私だけです。同じ革張りでもみんな違う仕上げ方なので、張り方の手順がそれぞれ異なりますが、先生が一人ひとり丁寧に教えてくれるので安心です。

みんな同じ木枠から作り始めたのに、脚の色や張り地によってそれぞれ全然違うスツールに仕上がりそうで、ワクワクします。

私たちの初めての伝統工法のスツールが、来週やっと完成します。